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ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。

saintheim はじめに…はじめて訪問された方は御一読下さい。



saintheim News 

何時も御覧下さり、有難う御座います。

2021年3月31日にて主な活動を終了致しました。

■新着エントリー
  →これより以前のお話は「過去の更新情報2008年~2021年)」内に掲載しております。

 ・03-26  ※教父候補者の愛 5
 ・03-27  ※教父候補者の愛 6
 ・03-28  ※教父候補者の愛 7
 ・03-28  ※教父候補者の愛
 ・03-30  ※徒然 vol.236


■03/08、「徒然vol.235
■03/30、「徒然vol.236
UPしました(バックナンバーは→コチラです)。

コメントの返信はこちらよりさせて戴いております。


saintheim Novel…長編・中編・短編等。

《 Long Piece 》…本編。クリアリ中心の長編物語。

《 Short Story & Short Novel 》…本編に添った、時系列毎の中編&短編集。

《 Spin-off 》…本編に登場する脇役を主人公とした物語。

《 Extra 》…本編とは違う設定のクリアリ長編&中編&短編集。

《 Project 》…他サイトの管理人様と企画して行った、コラボ作品。


saintheim Baton …フリーバトンや相互サイト様から回ってきたバトンに答えています。
 

saintheim Others …ドラクエ4以外のお話。
 

saintheim A play diary …DS版・ドラクエ4の攻略日記。


saintheim Illustration collection …イラスト。偶にフリイラも配布中。


saintheim Presents …個人的に戴いた物(フリイラ含)、差し上げた物。
徒然 vol.236
こんにちは、阿月です。
前回の徒然日記を最後と思い書いたのですが、御礼と幾つかご報告の為にこちらをupさせていただきました。

幾つか締めくくりに良さそうなお話を駆け足で連載しました。
こちらも楽しんでいただけたら嬉しいです。

ぴ〜ちゃん様、ミホ様、Sei様、まかろに様、P様、匿名希望の皆様、
お疲れ様コメントや貴重なご意見ありがとうございました。
まだ続けて欲しいとの言葉も嬉しかったです。
自分で決めて納得して出した筈の終了宣言の意思が正直グラつきそうでした。
ありがたい言葉も多くいただいたのですが、クオリティが下がっているという自覚もあるので、構築しお届けしてきたクリアリの世界が少しでも良い状態で終了するのが一番なのかなと考えています。


閉鎖についてですが、サイトはこのままの形で残しておきたいと思います。
規約に『更新されない場合は削除される』とあるそうなので、強制削除される可能性がありそうです。
それを防ぐ為に年に一度か二度は更新めいた事(更新を望んで下さった方の為にも何かお話をup出来たら良いのですが)をしようと思いますが、もし出来なくて削除された場合はすみません、ご了承下さい。


こんな辺境の、見つけるのも難しいサイトなのに通ってくださった方々には感謝しかありません。
本当にありがとうございました。

教父候補者の愛
教父候補者の愛 (21/03/22〜03/28)
全てはこの出会いから始まった。

教父候補者の愛 1

教父候補者の愛 2

教父候補者の愛 3

教父候補者の愛 4

教父候補者の愛 5

教父候補者の愛 6

教父候補者の愛 7












教父候補者の愛 7
「クリフト。何処に行ったのかな?」
ニコラスとダンテには教室での待機命令が出ている。本来なら寮から出れない深夜だ、そんな時刻広い教室に二人きりというのは心細い。
「クリフトは此処に呼ばれてないのかな?」
ニコラスの心配そうな声を聞きながら、ダンテは時計を見上げる。
「さあな」
教父がいらしたと聞いた時にはもう彼の姿は見えなかった。
「…本当に候補者の選定から外れてる、って事は無いよね?」
「……」
「ミゲルの話だと、パリス様に辞退するような事を言っちゃったみたいだし」
「…そうらしいな」
ダンテは息を吐きながら目を閉じる。
「僕さぁ。教父になる自信はあるよ。ダンテみたいな完璧人間では無いからそれなりに、って事」
ダンテは独り言のように呟くニコラスに目を向ける。
ダンテには自らが教父になるという野心がある。きっとニコラスも同じだろう。
聖職者サントが起こした王国サントハイムの宗教指導者。
神教会に所属する者として、サントの末裔である王家と王国を守る教父には、託すに値するより良い存在にその地位に就いて欲しいという希望もある。
「クリフトは頭は良いけど、人間性はダンテに劣ると思う。…そう思ってた。正直、ダンテが何でクリフトを認めているのか解らなかった。でも王墓で少し彼と話をして…、クリフトはこれからなんだな、と思った。可能性、っていうのかな。それは完成度の高いダンテやダンテに劣る僕には敵わないと思ったんだ」
「……そうか」
あの時。サラン大聖堂に向かって一人祈りを捧げていたクリフトを見た時、彼ならば相応しい、と思った。
クリフトは教父になるつもりは無いのだろうか。その程度だったのか。
「…私の検討違いだったのだろうか」
その呟きと同時、クリフトが静かに教室に入って来た。
「クリフト!何処に行ってたんだよ!」
駆け寄るニコラスにクリフトは力無く微笑む。
「パリス様に…辞退取り消しを求めに行っていた」
「えっ!…意外と行動派なんだな」
パリスに直談判だなんて。ニコラスには無理だ。
「…聞き入れては貰えなかったけどね」
座るクリフトを暫く見つめた後、ニコラスとダンテは目を交わした。
「どうして…そこまでしたのか聞いても良い?」
「……。ニコラス、ダンテ」
クリフトは立ち上がると二人に頭を下げた。
「教父候補者になったら、どうか姫様を大切にして欲しい。あの方が涙を見せる時は側に居てあげて欲しい。僕が拭ってあげる事は出来ないから」
「…クリフト」
ダンテはクリフトに顔を上げさせると「一つだけ、あの時聞けなかった答えを教えてくれ」と囁いた。
「あの時…王妃アリシア様の国葬の際、お前は誰の為に祈りを捧げていた?」
「…姫様の為に」
クリフトは微笑む。
「泣いているかも知れないと思ったから」
「…そうか」
ダンテは目を逸らすと舌打ちをした。
大人達の目は節穴なのか。
王女を大切にする兄となる資格が誰にあるか、自分達子供にも解るというのに。


教父候補者選考会議が終わった事を告げる鐘の音が鳴り響いた。
「…終わったか」
ダンテが呟くとニコラスは立ち上がる。
「恨みっこ無しだよ。誰がなっても、それを支える」
「ああ、解ってる」
「ニコラス、ダンテ」
教室の扉から顔を覗かせたサラン大聖堂の神父が名を呼ぶ。
「時間だ」
名を呼ばれもしないのか。クリフトは顔を手で覆う。
「…っ」
彼女を悲しませてしまう。
涙を流す日があっても、僕の手は届かない。
「……それから、クリフト」
ハッと顔を上げると微笑む神父と目が合った。
「お前もだ」


ルシオ様、今日ほど貴方の力に頼りたいと思った日は無い。
パリスは瞳を閉じる。
私の出した答えは正しいのだろうか?

『お前が息子にしたいと思うような神官なら、俺の娘も慕うさ。俺みたいにな』

パリスは小さく笑うと瞳を開いた。その瞳に決断が濃く色付く。
彼ならばと感じた。
私が覚悟した時と同じ思いを口にした彼ならばと。

「クリフト」

神父に背を支えられるような姿で聖堂に現れたクリフトの名をパリスは呼ぶ。
放心した瞳を緩々とパリスに向けたクリフトは、
「教父様」
と呟き、倒れるように膝をつき、頭を下げた。
「あなたを次代を担う教父として育てる事に決まりました」
小さな肩が震える。
恐怖なのか、歓喜なのか。パリスには解らない。
「教父候補者クリフト」
クリフトは顔を上げた。先程見せた激情が嘘だったかのように群青の瞳は夜半の海のように静まり返っている。
まだまだ弱い愛。
これを強くするのは、クリフトでは無い。
彼と共に成長なさるアリーナ様にかかっている。
「姫様が七歳の御生誕日を迎える日。あなたは登城し、王と姫様にお会いする事となります。その立場に恥じぬよう、これからも精進なさい」
「はい、教父様…!」
アリーナ様。
貴女にお会いする事が出来る。
震えながらもしっかりとした声音で言葉を紡ぐ。
「私は誓います。アリーナ様が涙を流される日も、笑顔でいらっしゃる日も、守り支えていくと」
パリスは安堵したように微笑むと、
「宜しくお願いしますね、クリフト。まだまだ小さな、私の弟子」
クリフトの頭をそっと撫でた。
「…姫様が一番だと云う事は解りましたが、教父となる誓いは行わないのでしょうか?」
少し揶揄うように囁くとクリフトはさっと頬を赤く染める。
「あ…!も、勿論」
その重責に対する恐怖がある。
クリフトは眩しそうにパリスを見上げた。
同じくらいの憧憬も。
「パリス様のような立派な教父に近づけるように精進致します!」
クリフトの後ろに控えているダンテとニコラスが嬉しそうに瞳を交わす姿に目を留めたパリスは満足そうな表情で瞳を細める。
この選択は正しい、そう確信しながら。
「クリフト」
名を呼びながら、パリスは艶やかな指を祈りの形に折った。
あなたの愛は、アリーナ様をお守りする最大の力となる。
どうか大切に育んで。
誰にも、アリーナ様にも、見せないようにしながら。
そっとそっと、壊れ物を扱うように。
「あなたの行く末に光あれ」

Our story started here.


end.

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教父候補者の愛 6
今なら、解る。
愛さなければならない意味を。
愛する人の為なら、人は強くなりたいと願う。
そして幾らでも強くなれる。
「絶対に約束を守る」
七歳となった彼女と再会する。
そして、彼女の傍から離れない、唯一人の者になる。

数ヶ月後。
喪が明け、サラン大聖堂にパリスが訪問されたと聞いたクリフトは「お会いする許可が無い」と引き留めるミゲルの手を振り切り、聖堂へと駆けた。

「ダンテとニコラス…」
パリスは呟くと目を閉じた。
王女は五歳となられた、そろそろ教父候補者を決めなければならない。
どちらも教父の器を持つ。どちらもアリーナ様を支えたいと述べた。
なのに悩む。
自信が無いと辞退した者の姿が過ぎる。
「何方も申し分ない成長を見せております。国葬での経験が刺激となったのでしょう、それまでとはまるで気迫が違います」
サランの神父は少し考え込んだ後、言葉を紡いだ。
「念の為にと…王墓に連れて行ったクリフトを覚えておられますか?」
「…辞退した彼がどうかしましたか?」
「私は…最初からクリフトを選定に加える事に反対でした。誰もが認める才を持っております、ですが、感情の何処かが冷めていて。名誉あるサラン神学校に居ながら辺境の神父を希望していて。このような男は姫様を心からは大切にしないと思いましたから」
「……そうですね」
愛する自信が無いと彼は口にした。
彼は教父にはなれるだろう。だが、王女の側に居る資格は無い。
「辞退を口にしたにも関わらず、教父候補者の選定に加わる程の才を惜しみ、彼の中で何かが変わるかも知れないからと、彼を王墓に連れて行くのは違うと私は思っていましたが」
神父は戸惑いを見せながら額に手を当てる。
「三人…とあの子を入れて申し上げてはならないのかもしれませんが…三人の中で一番変化があったのはクリフトでした。まるで別人のようで」
どう変わったのだろう?パリスは興味を持った瞳で続きを促す。
「上手く表現出来ずもどかしいのですが『生き生きとしている』のです。自分の中にある何か…そう、生きる意味…に気付いたかのようにも見えます。見習い仲間にも積極的に関わり、真摯に向き合い。これまで以上に勉学にも励んでいる」
「……選定に意見がしたいのですか?」
「い、いえ!」
神父は慌てて手を横に振る。
「感謝しているのです!クリフトの才能が埋もれる事は無い、きっと神教会を支える一人となれるでしょう」
「…そうですね」
誰もが彼の能力を惜しんでいる。
誰よりも彼はその立場を疎んじたというのに。
…ままならないものだ。
パリスは少し哀しそうに微笑んだ。

「教父様!」

扉が開かれ、皆が一斉に振り返った。
「クリフト!」
サラン神父が顔色を青く変える。
「今は選考会議中だ!立ち去りなさい!」
クリフトは顔を歪めながら声を出した。
「少しだけ…パリス様、お時間を」
息を整える時間も惜しく、驚いた表情のパリスにクリフトは頭を下げる。
「教父様」
「……」
パリスは僅かに瞳を眇め、そんな彼を見つめた。
「教父様。お願い致します!教父候補者の試練を私にお与え下さい…!」
パリスはクリフトに歩み寄るとじっと見下ろす。
「あなたは辞退する旨を口にしたと記憶していますが?」
パリスに笑みは無い。クリフトは臆する心を奮い立たせ、パリスの瞳を見返した。
「今一度機会をお与え下さい」
パリスは瞳を逸らす事無く尋ねる。
「もう一度だけ問います。…あなたに覚悟はありますか?」
緊張のあまりゴクリと喉が鳴った。
王の為に全てを捧げる覚悟。
己の時間を身体を。
そして、心を。
「待っておられるのです。私はあの方の…アリーナ様との約束を守らなければなりません」
クリフトは己の胸に手を置く。
確かに灯る彼女への愛。
「覚悟ならもう此処にあります」
「……」
パリスはクリフトの瞳をもう一度覗くように見つめるた後、一言告げた。
「……立ち去りなさい」
「パリス様っ!」
縋るクリフトを振り払うようにパリスは背を向ける。
「お願い致します、パリス様!」
陽炎のような蒼炎。
まだ弱い、だが確実に芽生えた覚悟。
パリスは唇を噛んだ。「あの大人しいクリフトが…」「あんな一面もあるのか」と戸惑いの声が周囲から漏れ聞こえる。
「私はあの方を守りたい!涙を拭える距離で支えたい!」
「っ!」
その言葉にパリスは思わず振り返るが、無理矢理追い出されたクリフトの姿は扉の向こうに消えていた。

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教父候補者の愛 5
「良いですか?この棒を」
拵えた小さな砂山の頂上に突き刺した小枝をクリフトは指差した。
「倒した方が負けです。砂は交互に取ります、沢山取っても少しでも構いませんよ」
「よーし!負けないんだから!」
アリーナはいきなりごっそりと砂を取る。呆気なく棒は倒れた。
「棒を倒した方が負け、ですからね?」
クリフトが思わず苦笑するとアリーナは頬をぷっくりと膨らませる。
「もう一回。次は少な目に砂を取るわ」

「姫様~!どちらにおいでですじゃ~!」

何度か砂山を作った後。
老人の大声が響くと同時、遊んでいた二人は目を合わせる。声のする方を見ると白髪の老人が老齢とは思えぬものすごい速さで走ってくる姿が見えた。
「あ!爺!こっちよ!」
アリーナが大きく手を振ると気付いた老人は少し怒った表情で近づいてきた。
「姫様!今日はじっとしていてもらわねば困りますぞ!今日しかお母上にきちんとお別れを言えないのですからな!」
「ごめんなさい」
謝りながらアリーナは上目遣いに老魔術師を見上げた。その表情は未だ厳しい。
「あのね、ブライ。お友達が出来たのよ、クリフトっていうの、神官さんだって」
アリーナは嬉しそうに微笑む。
笑みを見せられた。久しぶりに姫君の笑顔を見た老魔術師は怒りも忘れ、思わず顔を綻ばせた。
「…クリフト、か」
一瞥されたクリフトは眉を寄せた。
王墓に連れて行かず、魔物が来るかも知れないこんな場所に居たのだ、叱られるだろうか。
暫し老魔術師は思案にくれたが、再びアリーナに微笑む。
「よう御座いましたな。…クリフト、姫様が世話になったな。どの教会の所属か?」
「!」
姫様が爺と呼んで居た、この老魔術師。
ブライ。今思い出した。
クリフトは再び平伏した。
宮廷魔術師ブライ。泣く子も黙る氷結の魔術師ではないか。
知らぬ者は無い王国きっての知恵者であり、国王の片腕である。
「サラン教会所属の三級神官です。私のような下賎の者が姫様とお言葉を交わすような真似をし、真に申し訳…」
ブライは片手を挙げ、クリフトの言葉を制す。クリフトが失礼な物言いをしたのかと訝しげな表情をすると、ブライは口の端をにやりと上げた。
「未来ある若者が自分の事をそのように卑下するのは感心せぬな。サラン教会に所属出来るのは未来のサントハイム教会の重鎮のみだ。お主も知っておろう?」
「いえ…あの…私はそのような…」
何と言えばいいのだろう。クリフトが思案しているとブライは喉の奥でククッと笑う。
「姫様の御友人の名誉を頂いたのじゃ。しゃきっとせい」
「え!?」
友人?何の話だ?
「なんじゃ、聞いておらなんだのか。姫様は儂に自分の友達じゃと主を紹介したと思うたが」
「ええっ!?」
クリフトは先程迄のやりとりを思い出す。確かに…。クリフトは恐る恐る姫君に目を向けた。
ブライの手を握るアリーナはにこにこと嬉しそうに笑っている。
「そうよ。私の初めてのお友達なの。お砂で遊んでくれたんだよ。後で爺にも教えてあげる!クリフト、お城にも遊びに来てね。この前海に行った時綺麗な貝殻を見つけたの。見せてあげるね!」
アリーナの言葉にようやく我に返ったクリフトは頷いた。
「有難う御座います。…私にとっても姫様は初めてのお友達です」
クリフトは幸せそうに微笑んだ。
可愛らしい初めての友人。もう二度と会えないかもしれないけど。
「姫様。クリフトは大切なお勉強があるので暫くは遊べませんよ。そうですな…」
ブライはここで言葉を切ると、悪戯を思いついた少年のような顔でクリフトを見やる。
「二年。姫様が七歳になる時迄待てばクリフトが遊びに来てくれるでしょう。それまで姫様も善い子に出来ますかな?」
「うん、出来る!アリーナは来月五歳だもの、善い子に出来るわ。クリフト、約束よ!」
アリーナは右手の小指をクリフトに差し出す。クリフトがブライを見上げると静かに老人は頷いた。
何という事を仰るんだ、氷結の魔術師様は。
クリフトは内心この約束の裏に隠された重大な事実に戸惑っていた。
七歳になった王女に会いに来る神官は、教父候補者しか居ない。
自分はもう教父候補者にはなれない。
パリスに失格と見なされたのだから。
教父パリスの優しくも冷たくも聞こえる言葉が蘇る。

『ご安心なさい。覚悟が無いあなたを教父候補者とはしません』

覚悟。
未来の王へ揺るぎない愛を捧げる覚悟。
…出来るのだろうか、自分に。
生まれたばかりの朧げな愛しか無い自分に。
クリフトは少し俯き考えると、決意を秘めた表情で顔を上げた。
自分に出来るかどうか等、問題では無い。目の前の少女が望んでいるのだ。
僕の心も。クリフトは己の胸に手を当てる。それを望んでいる。
彼女が教えてくれた愛を僕は手放したく無い。
「アリーナ様」
名を呼ばれたアリーナは可愛らしく首を傾げ、微笑んだ。
暫くは会えない。その姿を目に焼き付けるように見つめる。
パリス様には見限られている。再び選定に加わるのは難しいだろう。
それでもこの少女の笑顔を再び見る事が出来るのなら、自ら進んで茨の道に入ろう。
「必ず、姫様の下に伺います。約束です」
少年と少女はそっと指を絡ませた。
約束を現実のものとする為に。


「クリフト、大丈夫だったか?」
ミゲルが大きく槍を振りながら駆けてくる。その後ろにはニコラスとジュリアンの姿もある。
「良かった〜!僕、クリフト一人で何かあったらと思ったら急に不安になって!」
ニコラスは駆けてきた勢いのままクリフトに抱きついた。少しよろめきながらも何とか倒れる事を回避する。
「大丈夫。魔物は一匹も現れなかった」
「そっか。良かったよ、本当に。僕の持ち場はやたらと魔物が来るから神騎兵の人達に担当してもらう事になったよ。僕達も此処に居るね」
ニコラスの言葉にクリフトは微笑んだ。
「ありがとう、ニコラス。助かるよ」
「……」
笑顔、初めて見た。ニコラスの胸がどきりと鳴る。こんなに優しい顔になるんだ。
「クリフト、何かあった?」
ニコラスはクリフトの瞳を覗き込みながら首を傾げた。
今日は彼の知らない部分を見たからそう思うだけなのだろうか?
彼は皆が陰口を叩くような高慢で冷たい男では無い。
人を思いやる言葉も笑顔も持っている。
それを知ったから、彼が変わったと思うだけなのだろうか?
「……」
クリフトは一度王墓に目を向けた後、ゆっくりと頭を横に振った。
「僕は変わらなければならないと思っただけだよ」
「……」
ダンテはクリフトには足りないものがあると言っていた。それに気付いたら、彼は文句無く教父候補者になれると。
その時は一緒にクリフトを支えようと。
「…そっか」
ニコラスは俯き考え込んでいたが、クリフトの肩を叩いた。
「これからも宜しくね、クリフト」
「?……此方こそ」
クリフトは意図が分からず眉を寄せたものの頷く。その姿を横目に観察しながらミゲルは嬉しそうに微笑んだ。

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プロフィール

阿月さくら

Author:阿月さくら
ドラクエ4のサントハイムを中心とした二次小説を書いています。
SINCE.08/03/05

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