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ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。

saintheim はじめに…はじめて訪問された方は御一読下さい。



saintheim News 

何時も御覧下さり、有難う御座います。


■新着エントリー
  →これより以前のお話は「過去の更新情報08年~18年~)」内に掲載しております。

 ・09-13  ※きっと、あなたに恋を。 その4
 ・09-16  ※きっと、あなたに恋を。 その5
 ・09-18  ※きっと、あなたに恋を。 その6
 ・09-21  ※きっと、あなたに恋を。 その7
 ・09-21  ※きっと、あなたに恋を。

■04/13、スピンオフ長編「Träumerei」、カテゴリ「スピンオフ」内にて連載開始しました。
■06/26、中編「教父VS貴族院長」、カテゴリ「父と母の祈念」内にて完結しました。
■09/02、「徒然vol.221」UPしました(バックナンバーは→コチラです)。

■02/09、2017年4月~のコメント返しを(それ以前はコチラより)させて戴いております。


saintheim Novel…長編・中編・短編等。

《 Long Piece 》…本編。クリアリ中心の長編物語。

《 Short Story & Short Novel 》…本編に添った、時系列毎の中編&短編集。

《 Spin-off 》…本編に登場する脇役を主人公とした物語。

《 Extra 》…本編とは違う設定のクリアリ長編&中編&短編集。

《 Project 》…他サイトの管理人様と企画して行った、コラボ作品。


saintheim Baton …フリーバトンや相互サイト様から回ってきたバトンに答えています。
 

saintheim Others …ドラクエ4以外のお話。
 

saintheim A play diary …DS版・ドラクエ4の攻略日記。


saintheim Illustration collection …イラスト。偶にフリイラも配布中。


saintheim Presents …個人的に戴いた物(フリイラ含)、差し上げた物。
きっと、あなたに恋を。
きっと、あなたに恋を。 (18/09/04~18/09/21)
きっと、あなたに恋をする。
ミネアが戯れに作った『おかしな薬』が招く、二つの想い。


きっと、あなたに恋を。 その1

きっと、あなたに恋を。 その2

きっと、あなたに恋を。 その3

きっと、あなたに恋を。 その4

きっと、あなたに恋を。 その5

きっと、あなたに恋を。 その6

きっと、あなたに恋を。 その7


きっと、あなたに恋を。 その7
背を向け震えるアリーナと払われた自身の手を眺めた後、転がっている空瓶に目を向け、クリフトはそっと息を吐く。そして、先程のミネアとの会話を思い出していた。

『おかしな薬?…もう無いわよ。遊び半分で作った試作品だったし』
『…ですよね。では満月草を譲ってもらえませんか?今すぐ使いたい理由が出来たのです』
『え?…あなたも一緒に作った物だから構わないけど…麻痺の症状が無いと飲んでも何も効果は出ないわよ?』

効果は無くて良い。
おかしな薬を飲んで混乱状態にあるフリをするだけなのだから。
クリフトは口の端で笑みを浮かべた。
彼女の前で想いを言葉にした。
混乱状態にあると彼女に思い込ませた状況で。
「……っ」
己の小賢しさと小心さに吐き気がする。
ただの自己満足。その結果、彼女は「嫌だ」「そんな事を言うな」と拒否をした。
クリフトは王女から一歩下がり、そして頭を下げた。
「…申し訳ありませんでした、アリーナ様。不愉快な思いをなさった事でしょう」
「クリフト?」
振り返ったアリーナは恐る恐るクリフトの顔を覗き込む。
「正気に…戻ったの?」
「ええ、少量でしたし、薬には耐性がある方なので」
職業柄、薬が身近な存在であるクリフトやミネアは作製した薬の毒味のような事もする為、薬に対し耐性がある。その為自分達が服用する際は量も濃度も強くする事が多い。
アリーナはホッと息を吐いた。
「良かった、元に戻って」
クリフトは顔を上げると微笑む。
「そんなに私に想われるのはお嫌でしたか?」
この神官が自分相手に使うのは珍しい、皮肉めいた言葉でアリーナは漸く理解した。
これは正気に戻った自分が、安堵した彼に投げた言葉。
私は彼に愛されたいと願っている。
嬉しかった、だけど、嫌だった。
元に戻って欲しかった。
彼の想いは偽り、相手が誰であろうと紡がれた言葉。
その虚しさに気付いた。
「…本心では無い言葉を聞く虚しさを貴族達から散々聞かされていた私は知っていたのにね」
「……」
「ごめんね、クリフト。有難う。正気に戻った私に『元に戻って良かった』と言ったあなたの気持ち、良く解ったわ。心にも無い言葉など、不愉快なだけだものね」
「…少々乱暴な手段を用いた事は申し訳無く思っています。が、御理解頂けて安心致しました」
クリフトは胸に手を当て再び頭を下げた。
混乱が生み出した、心にも無い言葉。そう理解してもらえるように仕向けたのに。
心が救いを求めている。あれは本心だと白状してしまいたいと訴える。
自分の想いは、王女にとって迷惑な感情だと今しがた思い知らされた筈なのに。
「ふふっ、もうおかしな薬はこりごりだわ。ミネアさんの薬には気をつけないと」
声を出して笑いはじめた王女にクリフトも顔を上げ、笑う。
「そうですね」
アリーナは一頻り笑った後、笑みを引っ込め、クリフトに真剣な眼差しを送った。
「でももし、またクリフトが飲んじゃう事があったら」
「…?」
王女の眼差しに圧倒された神官は、無言のまま続きを待つ。
「誰かを好きになる、その時は」
アリーナは柔らかな笑みを浮かべた。
今はまだ偽りであったとしても。
いつかは本当に私の事を好きになってもらいたいから。
「その時は、私を好きになって」
「!」
クリフトは目を見開く。
「……、姫、様」
迷惑、では無かったのだろうか?
それとも主君として、臣下の失態を他人に晒したくないから?
様々な理由が頭の中で交錯したが、
「…はい。その時はきっと」
頷き微笑みながら、クリフトは一つの揺るがぬ本心を言葉にした。
「私は貴女に恋をしている」

end.


きっと、あなたに恋を。 その6
「……姫様」
アリーナの部屋を訪ねたクリフトは、恐る恐る中を覗き込む。窓の外を眺めていたアリーナが振り返った。その顔は強張っている。
「ごめんなさい、今はまだクリフトには」
会いたくない。そう言われる前にクリフトは口を開いた。
「少し御時間を下さい、お願いします」
「………」
アリーナは返答を躊躇い瞳を揺らすも頷いた為、気が変わらぬ内にとクリフトは再び口を開く。
「その…、混乱中の姫様が仰った言葉が嫌だったとかでは無く、姫様が元に戻られて安心しただけなのです。誤った認識は、その…困ってしまいます」
クリフトは手の中の物を見せるように差し出した。緑色の液体が入った小瓶が小さく踊る。
「これから…、貴女にどんな事が起こったのか、お見せします」
そう言いながら小瓶の蓋を開けると、クリフトは己の唇に寄せた。
まさか。アリーナは瞳を見開く。あれはさっき自分が飲んだ『おかしな薬』なのでは?
「正気に戻って安堵した私の気持ちを御理解頂けると思いますが、嫌悪や危険を感じたら容赦無く私を殴り、気絶でも何でもさせて下さって構いません」
「ちょっ、待っ…!」
薬を飲むと知ったアリーナが制止しようとするも、クリフトは手にある薬を一気に飲み干した。
「……」
瓶を持っている手をだらりと下げる。その拍子に指をすり抜けた瓶が床に転がり落ちた。
「姫様」
転がる空瓶を目で追っていたアリーナははっと我に返り、身体を硬直させる。
もう、おかしな薬の効果が出ているのだろうか?クリフトが近づいて来る気配を感じたが目を向けるのは怖かった。
正面から肩に触れられるともう一度名を呼ばれる。
「アリーナ様」
名を呼ばれるままに優しい温もりを伝える肩に目を向けた。長い指が自分の肩を滑り、首筋を経由し頬に留まる。
「好きだ」
アリーナの胸がどきりと高鳴った。
愛しい人から甘く囁かれる、欲しかった言葉に心が躍る。
「貴女の事がどうしようもなく愛しい」
「クリフト…」
嬉しい。愛の言葉はまるで呪文のように自分の心を満たした。
「貴女は?私をそんな目で見た事は無い?」
僅かに掠れを帯びる声に誘われるようにアリーナは顔を上げる。
「私は…」
クリフトの顔を見上げようとした時、アリーナの瞳は転がっている瓶を捉えた。
一気に現実に引き戻され、冷水を浴びた様に身体から熱が奪われる。
違う、これは偽りの感情、彼の言葉ではない。
貴族の男達が未来の王の婿の座欲しさに繕っていた言葉と同じ。
それでも良いではないかと心の中に潜むもう一人の自分が囁く。貴族達とは違い、自分はこの男に想いを寄せている。
このままこの終わりのある夢に身を委ねたら良い。
今この瞬間、確かに彼は自分のものなのだから。
自分のもの…?
違う。
これがミネアやマーニャであっても、この薬を口にしたらクリフトは同じ事をする。
私相手で無くても、愛の言葉は簡単に囁かれる。
「嫌……、そんな事言わないで」
彼の指は他の女性を求める事だろう。
「元に戻ってよ、クリフト…!」
アリーナはクリフトの手を払い除けた手で顔を覆うと叫んだ。


・・・「きっと、あなたに恋を。 その7」に続きます。

きっと、あなたに恋を。 その5
「クリフト…、私も大好き。大好きよ」
瞳を閉じるアリーナの髪に指先を絡めるとクリフトは顔を寄せ、囁く。
「貴女のその想いが薬と共に消え失せても、私は貴女の事を愛している」
「クリフト…」
……。………?
アリーナは瞳を瞬いた。突如頭の中の靄が晴れたように覚める。
あれ?ミネアさんの部屋で…どうしたんだっけ?
…ん?
己の亜麻色の髪に絡む長い指が視界に入った。
ほんの鼻先には、伏し目がちな群青色の瞳があり、互いの唇は今にも触れそうな距離にある。
「…姫様」
吐息で囁かれ、一気に身体が熱くなった。
え?!何でこんな事になってるの?!
アリーナは心の中で盛大に叫ぶと目の前の男の名を呼んだ。
「クリフト?!」
その声色に甘い色が無い事に気付いたクリフトは身体を離してアリーナの瞳を覗き込む。
「姫様?…正気に戻られたのですか?」
頬を赤らめ震えているアリーナを見ているとクリフトの心の中で安堵よりも不安が急速に膨らんだ。
状況に流され、思わず想いを口走ったが、覚えているという事は無いのだろうか?
「薬を飲んだ後の記憶はありますか?何処まで覚えていらっしゃるので?」
矢継ぎ早な質問に王女は面食らいながらも頷く。
「…え?ええと、ミネアさんの部屋で解毒薬と回復薬、だったかしら?…を強引に飲まされた後、頭がぼうっとして。その後は覚えてない」
とても嬉しい事があった気がするけど。アリーナが首を捻るとクリフトはあからさまにホッとした笑みを浮かべた。
「そ、そうですか。良かった。姫様が口にされたのはミネアさんの試作品の万能薬でして…、実体は少々混乱状態にするものだったらしく、どうなる事かと心配しました」
「そうだったの」
どうやらクリフトにとって散々な時間だったようだ。申し訳無く思うアリーナだが、謝るべきかどうかは悩む。そもそもミネアが無理に飲ませた薬でこうなったらしいし。
「ねぇ、混乱状態の時、何があったの?」
だが暴力を振るったりしたのなら、クリフトは被害者、謝罪は必要だろう。アリーナが問うとクリフトは誤魔化すように咳払いをする。
「え…ごほんっ…、う、ううん。まあ、色々と」
洗いざらい白状するのは憚れる。アリーナの混乱に乗じて調子に乗った事をした心当たりがある。
「色々って?」
クリフトが濁すという事は、とんでも無い事をしたに違いない。
そう感じ、問い正そうとするアリーナの前に現れたぺヴァルとミネアは少々がっかりした表情を見せた。
「船室かと思ったら、こんな所に居たのか。何だよ…、もう元に戻ったのか」
哨戒を済ませ、急いで様子を見に来た勇者は不満そうに腕組をする。その隣のミネアは己の頬を支えるように手を添え息を吐いた。
「効果持続時間は短いわね。でも魔物との戦闘時間を考えると充分かしら」
薬の効果しか頭に無い様子のミネアにクリフトは無言のまま非難めいた瞳を流す。
「ねえ、私どうなっちゃっていたのよ?!」
痺れを切らしたアリーナが叫ぶとぺヴァルは簡潔に説明した。
「混乱状態にあったよ?」
「もっと詳しく教えてよ、判らなくて怖いから!」
「えー、知りたいのかよ…。クリフトに『好き』って言いまくって、ずっとくっついていたよ」
「す、好き?!……う、嘘っ!」
アリーナは青褪め、絶句する。
どうやら混乱し、本心や願望がダダ漏れとなっていたようだ。
「本当だよ。姫は滅茶苦茶幸せそうだったよ」
覚えていないが、確かに嬉しかった気はする。俯くとわなわなと震える己の手が目に入った。
『姫は滅茶苦茶幸せそうだった』。
…姫『は』。
「そっか…」
それでクリフトは正気に戻った私を見て、あんなに喜んでいたんだ。
「…クリフト、ごめんね」
「え?!…い、いえ、薬のせいですし。私は別に…」
「私があなたを好きになるの、そんなに迷惑だった?」
「……え?」
クリフトは予想もしなかった台詞に思わずアリーナをまじまじと見つめる。
「そうよね、好きでもない子に好きだと言われて付き纏われて。嫌に決まってるよね」
俯いている為顔は見えない、だが、王女の声は震えている。
「姫様、私は」
「ごめんなさい、今の私はあなたに合わせる顔が無いわ」
言い捨て、早足でその場を立ち去るアリーナの後ろ姿を呆然と見送ったクリフトの背にぺヴァルが遠慮がちに声を掛けた。
「悪い…、上手く話せなくて誤解させちゃったみたいだ。『クリフトは困りながらも嬉しそうだった』、そう付け加えるべきだったな」
「…充分です。そんな説明をされると私の方こそ姫様に合わせる顔がありませんよ」
クリフトはぺヴァルに笑いかけた後、ミネアを振り返った。
「ミネアさん。あの試作品の薬はまだ残っていますか?」


・・・「きっと、あなたに恋を。 その6」に続きます。

きっと、あなたに恋を。 その4
「…時間が経てば治る、か」
クリフトは前髪を掻き上げた。
混乱状態から回復する薬はあるのだろうか?ミネアなら知っているかも知れない。
「…ミネアさんの所に行ってみましょうか、姫様」
「ミネアさん?…嫌!クリフトは他の女性の事ばかり考えているのね」
頬を膨らませるアリーナに苦笑する。
「そんな事はありませんよ」
「私よりマーニャさんやミネアさんの方が好き?」
「それは…」
否定するべきかどうか悩み、クリフトは口籠った。
薬の効果はその内消える。数刻か、一日か。待てば良い、正論だ。
誰も反対していないこのひと時を楽しむのも悪くないのだろう。
「…姫様、船の為お連れ出来る場所には限りが御座いますが、少し歩きましょうか」

船首楼からは甲板の様子が分かる。ぺヴァルと交代したトルネコと引き続き哨戒にあるライアンの姿が見えた。
ちょっとした庇のあるこの場所にはあまり立ち寄った事が無い。此処には大砲が居座っており、それを使用する機会も無いからだ。強い魔物が居るという北海に行く事があれば使うかも知れないとトルネコが手入れのみは行っている。
「二人きりね、今」
アリーナが幸せそうに見上げてくる。クリフトは笑みを返した。
「…そうですね」
船室に連れ込むのは憚れたからこそ、この場所を選んだ。
ブライが念を押したように魔が差した自分がアリーナに不埒な真似をしないとも限らない。
その答えは簡単だ。
「姫様、私の事が好きですか?」
「うん。クリフト、大好き」
そう言って頬を擦り寄せてくる、この王女を自分は。
誰よりも。
「私も好きですよ、姫様」
誰よりも愛している。
「本当?嬉しい!」
アリーナが満面の笑みで胸に抱きついてくる。その身体を包み込みながら、クリフトは瞳を閉じた。
王女のこの感情は偽りだ。
薬がこの言葉を齎しているだけ。
偶々居合わせた自分がその相手となった、ただそれだけ。
「姫様」
クリフトが頬に手を伸ばすとアリーナは微笑み、恥じらう素振りを見せながら瞳を細める。
偽りの心であっても、ほんのひと時であっても、彼女を手に入れる千載一遇のチャンスではないかと心の中に潜むもう一人の自分が囁く。
「貴女が好きだと仰って下さり、嬉しいのです」
私はずっと昔から、決して手に入らない貴女の事を愛し続けてきたのだから。
貴女の心が私に向けられる事はないと解っていてもこの想いを棄てる事は出来ないのだから。
けれど。
「……早く元の貴女に戻って下さい」
私がこの悪夢のような誘惑に耐えられる内に。


・・・「きっと、あなたに恋を。 その5」に続きます。

Calender

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プロフィール

阿月さくら

Author:阿月さくら
ドラクエ4のサントハイムを中心とした二次小説を書いています。
SINCE.08/03/05

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