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ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。
物真似師の見分け方
「…ったく、クリフト」
ぺヴァルは小さく毒吐いた。
「何で気付かなかったんだよ」
勇者と背中を合わせているクリフトは顔を顰める。
「少しは褒めて下さいよ。一発で全員死亡の危機を免れたのですから」

monomane-manemane

時を少し遡る。
世界樹の花の力で再び命を得たエルフの娘ロザリーを伴い、導かれし者達一行はデスマウンテンで待つ魔王デスピサロの元へと向かっている。
今度こそ、悲劇の魔王を救う事が出来る。その期待は一行を急き、常よりも危険な行軍としている。
デスマウンテンの手前にある要塞のようなデスキャッスル内を文字通り駆け抜けていた一行は、背後から様子を伺っていた魔物に気付いてはいなかった。
戦闘を終えたばかりのサントハイムの神官クリフトは、王女の腕から血が流れているのに気付くと素早く中位回復魔法ベホイミの呪文を唱えた。
「有難う、クリフト」
恋人でもある愛する王女に笑みを返した、その瞬間。
「クリフト殿、魔物に背を取られるぞ!」
ライアンの怒声でクリフトは顔を強張らせ振り返った。
抜刀していて助かった。クリフトの眉間から汗が流れる。放たれた狂刀を何とか受け、弾いた。
「…なっ、其奴は!」
馬車内から顔を出したブライが青褪める。
クリフトが対峙しているのは、クリフト。
サントハイム神官の制服に身を包んだ青年神官は剣を握ったまま互いの瞳を合わせている。
「わ、私…!?」
クリフトは突然現れた自分の姿に動揺したものの、ブライの一喝で冷静さを取り戻した。
「戯けが!封じよ!」
これは、魔物。失われた古代魔法モシャスを操るマネマネに違いない。
「…くっ!」
クリフトは右手をもう一人の自分に突き出す。
だとすれば、自分に化けたこの魔物は危険だ。
もう一人の自分もまた右手を出し、呪文を同時に叫んだ。
「マホトーン!」
内なる魔力が抑えつけられるような感覚が身体を支配する。
もう一人のクリフト…クリフトもどきは舌打ちをした。
クリフトはクリフトもどきが使う可能性の高い即死魔法ザラキを封じる為に、クリフトもどきは自分に呪文封印魔法マホトーンを使われる前に魔法を封じてしまおうと放ったマホトーンで互いの呪文を封じたようだ。
…危ないところだった。息を吐くクリフトの背にぺヴァルが身体を預けてくる。
「前にも魔物が現れた」
「挟み撃ちとなっているのですね?」
「…ったく、クリフト」
ぺヴァルは小さく毒吐いた。
「何で気付かなかったんだよ」
勇者と背中を合わせているクリフトは顔を顰める。
「少しは褒めて下さいよ。一発で全員死亡の危機を免れたのですから」
「お前の失態だ、後ろの奴は任せたぞ」
背後にはクリフトもどき以外にも魔物が現れている。
「判りました。出来る限り早く仕留めます」
クリフトはクリフトもどきに打ちかかる。何度か切り結んだ後、魔物達がクリフトに攻撃を始めた。
魔物もマネマネとの区別がつかないのか、クリフトもどきにも魔物は攻撃を加えている。
埒があかないと感じたサントハイムの王女アリーナが現れた魔物相手に拳を振るい、蹴散らし始めた。
「姫様!」
「良いから、其奴を早く倒しなさい!」
アリーナは魔物の群れを一気に倒すとクリフトを振り返った。
後はクリフトもどきを倒すだけ。一対二なら此方に勝機がある。
「…あれ?」
アリーナは立ち止まり、眉を顰めた。
「…クリフトはどっちなの?」
剣を合わせたまま、二人のクリフトはアリーナに目を向けた。
「勿論私がクリフトです、姫様!」
『姫様、本物のクリフトは此方です!』
「えっ!…ど、どっちなのよ?」
頭を抱えるアリーナを余所にクリフトはクリフトもどきを睨んだ。
「ふざけるな、物真似の分際で!」
『そっちこそ、本物の振りをするな!』
どうやらマネマネは一か八か、クリフトの見分けがつかないアリーナを味方につけ、本物のクリフトを倒す作戦に出たようだ。
「…判らないわ、どっちが本物のクリフトなのかしら?」
アリーナはキラーピアスを握り締め、呟く。
「いっその事、どちらも瀕死にしたら良いのかしら?」
どちらも死ぬ可能性が高まった事を知ったクリフトとマネマネは顔を青褪めさせた。
「マネマネ!見逃してやるから、モシャスを解除し、逃げろ!」
『ふ、ふざけるな!そっちこそ姫様の前から立ち去れ!』
譲らない二人に困った顔を向けていたアリーナだが、
「そうだ」
ふと思いつき、口にした。
「ミゲル…、こんな時にミゲルが居てくれたら、私を助けてくれるのに」
『ミゲル?』
一人のクリフトは首を捻り、もう一人のクリフトは眉を吊り上げた。
「ミゲル、早く会いたい」
アリーナの言葉にクリフトは無様に喚く。
「はあっ?!あ、会いたいって…!あいつに何が出来ると言うのです!」
嫉妬を露わにするクリフトの手を握り、アリーナはニヤリと笑った。
「こっちが本物ね」

「機転を利かせて倒したみたいだな」
魔物を撃退し、ひと息ついた勇者はアリーナに質問した。
「ところでミゲルって、誰?」
「ああ、ミゲルね」
クリフトもどきを容赦無く攻撃したアリーナは爽やかな笑みを返す。
「クリフトの修道院時代からの友人よ。クリフトって、ミゲルと比べられるのを嫌うのよ。彼は神騎兵でクリフトの部下でもあるんだけどね」
「…へぇ」
ぺヴァルはクリフトに目を向けるとニヤリと意味ありげな笑みを浮かべた。
「お前は何処に居ても落ち着かないな?」
「…仕方ありませんよ」
クリフトは小さく溜息を吐くとアリーナの手を握る。
「私の恋人は筋金入りに男心を理解出来ない方ですからね」
「どーいう意味よ?」
ぎりりと強く手を握るアリーナにクリフトは苦笑を返した。
「そのままの意味ですよ」


end.



二度目の冒険中のお話でした。

どっちも瀕死にしようとする物騒なアリーナ姫が書きたかっただけです。


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Author:阿月さくら
ドラクエ4のサントハイムを中心とした二次小説を書いています。
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