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ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。
神官は嘘を吐く
「…あー、もう、こんな時間じゃない」
戻って来たアリーナは疲れた顔で毒吐いた。恨めし気な瞳は夕食には少々遅い時を刻む時計に注がれている。
「貴重な時間を無駄にしたわ」
「あらぁん、折角の上玉なのに」
マーニャはニヤニヤと笑いながらアリーナの顔を覗き込んだ。
「物資の補充は終了、今日は此処の宿に逗留する事に決まったわ。もう少しあの美形の王子様と甘い時間を過ごしても大丈夫よ」
「…マーニャさん」
アリーナは艶っぽい笑みを浮かべる舞姫をじとりと睨む。
「怒るわよ」

You are a liar.

此処は天女伝説の残る地ブランカ。
勇者達一行は旅の物資を調達する為に立ち寄ったのだが、偶々城下の視察をしていたブランカ王子と鉢合わせとなった。
勇者を探すブランカ王にはぺヴァルだけでなく行方不明となっているサントハイム城の者達を探すアリーナも援助して頂いている。無下には出来ないという事で、王族であるアリーナが一行の代表として王子に挨拶したのだが、マーニャ曰く「王子はアリーナに気がある」らしく、話が長くなったのだ。
「王族同士の挨拶は仕事よ、マーニャさんが喜ぶような感情なんて無いわ」
アリーナはふんと鼻を鳴らす。
「何とも言えんのう」
珍しくブライがマーニャに同調する姿勢を見せながら顎髭を摩る。
「儂ら三人がブランカに滞在した時、東の大砂漠を姫君に徒歩で横断させる訳には行かないと馬車と護衛兵を用意するようブランカ王に口添えして下さったのはあのキリク王子じゃからな」
「ほら!気になるあんたが心配だったのよ!」
「…それなら普通、ブランカに留まるように言ったりしない?」
…ごもっとも。マーニャは肩を竦めた。
「もう良いでしょ、マーニャさん!王子がどう思っていようと関係無い!私は彼に対しては特別な感情を持っていないんだから!」
「……だってさ、クリフト。良かったわね」
矛先を変えるマーニャをクリフトは睨みで応戦する。
「何がです?」
「王子に『は』特別な感情を持っていないってさ。あんたにもチャンスがあるかもよ?」
「…な、何を言っているのよ、マーニャさん!」
動揺を見せるアリーナにマーニャは口の端で笑う。
「王子に『は』持っていないって事は、別の誰かに『は』特別な感情を持っているって事でしょ。違う?アリーナ?」
「マーニャさん!言葉のあやよ、それは!…例えそうだとしてもクリフトは関係無いでしょ!」
「ふうん?関係無いんだ?」
「そうよ!」
青くなったり赤くなったりと忙しいアリーナを他所にクリフトは表情を変える事なく言い放った。
「アリーナ様を揶揄うのは止めて下さい。私如き臣下には、姫様が誰をどう思っていようと関係無く、此れ迄同様お仕えするのみです」

「『どう思っていようと関係無く、此れ迄同様お仕えするのみです』、か……」
アリーナの呟きを耳にしたクリフトは首を傾げる。
「何処かで聞いた事がある台詞ですね?」
「あなたが言ったのよ。ほら、皆とブランカに立ち寄った時に城下でキリク王子と会った事があったでしょ。私あの時、傷ついたんだから」
    此処はサントハイム城聖堂横にあるクリフトの執務室。あの大いなる旅の最中は勿論、前も後も、二人は時間があればこうして同じ時を変わらず過ごしている。
「ああ、あの時ですか。ブランカのキリク王子と貴女が仲睦まじくなさっていた時の話」
「…仲睦まじくなんてなかったでしょ。嫌な言い方ね」
苦笑を零したクリフトは昨夜の巡回の報告書を閉じるとアリーナの頬に手を寄せ、瞳を合わせる。
「で、そんな貴女がどうして私の言葉で傷ついたのです?」
「どうして、って…」
アリーナは熱っぽい瞳で自分を見つめるクリフトから目を逸らす事も出来ず、ただ頬を染めた。
    大いなる旅の前やその最中と変わった事。それは、ずっと秘めていた愛情を二人が交わすようになった事のみである。
「私の事、何とも思っていないから、あんな風に冷静に言えるんだな…って。私だけ動揺して莫迦みたい、って思ったのよ」
「私だって傷つきましたよ。貴女が誰かに想いを寄せているかも知れない状況で『クリフトは関係無い』とはっきり言われてしまったのですからね」
「あの状況で否定しない訳にはいかないでしょ」
お互い、想いを寄せ合っている事にも気付いていない、片想い真っ只中の時期だ。
「それと私も動揺していましたよ。貴女と王子の仲が進展するのでは、とヤキモキしましたし、貴女に対象外と言われた事に落ち込んでしまいましたし」
「全っ然、そんな風には見えなかったけど?」
じとりとアリーナが睨むもクリフトは余裕の笑みで応じる。
「そう見せていただけです」
「『どう思っていようと関係無く、此れ迄同様お仕えするのみです』、って言っていたし」
「正直に申せば、その部分は嘘、という事になりますね」
「嘘、って!」
アリーナは呆れたように瞳を見開いた。
「聖職者なのに悪怯れず、そんな事を言うのね!」
「貴女の前で嘘を吐いてばかりだったのは否定しようも無いので」
クリフトは微笑む。
「神官のくせに嘘を吐く。幻滅しました?」
アリーナは可愛らしく上目遣いでクリフトを見つめると呟くように答えた。
「…あなたの嘘は私を守る為に吐いた嘘だもの」
「もう貴女への感情を偽る嘘は吐きません」
「本当かしら?」
くすくす笑うアリーナにつられ、クリフトもまた茶化した言い方で応じる。
「前科者は信用ならないと?」
「ふふっ、そうだわ。神官殿を試してみようかしら?」
アリーナはクリフトの首に腕を回しながら囁いた。
「ねぇ、私の事どう思ってる?」

end.



再びキリク王子、名前だけ登場しました。
私、かなり都合よく、お話の中でこの人を使っていますね。

冒険が終わり、城に戻って間もない頃のお話なので無駄にいちゃついていますね。


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阿月さくら

Author:阿月さくら
ドラクエ4のサントハイムを中心とした二次小説を書いています。
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