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ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。
6 魔王の城
「私の名はデスピサロ。古より人に恐れられし魔王の位を継ぎし者」
かつん、かつん。静寂の中、漆黒の靴の音が響く。
「こんにちは、サントハイム王。お招き有難う御座います」
銀の髪を靡かせ、魔族の王は優雅に微笑んだ。サントハイム王は強い光を宿す瞳を向ける。
「招かざる客だよ、お前は。…サントハイムは渡さぬ」
魔王は無言のまま、差し出すように黒い宝玉を見せた。
月の無い夜を封じたような石。
表情は変えまいと努めていたが、王の顔は歪む。宝石の中からサントハイム城の人々の魔力を感じる。先ほど自分を護ろうとして封じられた教父パリスの温かな魔力も。
「貴方に死なれては困ります。私は貴方が必要なだけなので、この城ひとつで手を打ちましょう。…私と来て頂きましょうか」
魔王は宝石を持つ手とは逆の手をサントハイム王に差し出した。
「我が城にお招き致します。其処で私に夢を語って頂きますよ、王。貴方の視る、未来の夢を」
「触れるな」
小さく呟いた王は魔王の青白い手を跳ね除ける。それが精一杯、魔力もそれを収める身体も、ルシオを圧倒する。
「貴方に選択肢はありません。貴方は夢でご存知でしょう?」
魔王は気丈にも睨みつけてくるサント三十一世の手を無理やり掴むと空間移動呪文を唱えた。

…此処は何処なのだろう?
ルシオは窓の外に目を向けた。湖がすぐ側にある。平原の向こうには剣のような山脈が見えた。
集落のようなものは見えない、もしかしたらあの山脈の向こうには存在するかも知れないが。
空間移動呪文を唱えた魔王に連れられ、自分はそのままこの小さな部屋に押し込められた。簡素な部屋で、調度品の類は必要最小限、窓は一つ。扉に鍵は掛っていないようだが、外からは見張りの気配がした。
「…煩い魔物共だ」
ルシオは一人毒吐いた。魔物の咆哮の声が時折聞こえる。そして常時生臭い。
何が生臭さを放っているのかは考えないようにしている。
ルシオは汚い椅子に腰かけると頬杖を突いた。
逃げる事は難しい、恐らく此処は人間の世界から隔離された場所。魔物共を従える魔王デスピサロの居城だろう。
それに一人逃げる訳にはいかない。城の者達やパリスが人質に取られている、逃げる前に彼等を救わなければ。
最も、それらが全て上手く行ったとしても、また捕らえられるのだろうが。
アリーナ達は今頃どうしているだろう?
無人の城を見、絶望しているのだろうか?
ルシオは痛む胸を押さえた。
予知夢の未来は現実となった。
我が娘達よ、導かれし者達よ、その絶望の先にしか希望は無い。
俺は知っていたのに。お前達を傍観する事しか出来ないのか?
俺に出来る事は…何があるのだろう?


・・・7 違和感のある村

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阿月さくら

Author:阿月さくら
ドラクエ4のサントハイムを中心とした二次小説を書いています。
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