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ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。
7 違和感のある村
…嗚呼、夢の中か。椅子に座ったまま、何時の間にか眠ってしまったらしい。こんな時でも眠くなる、自分の太々しさが嫌になる。
ルシオは周囲を眺める。原始の森。囀る鳥と風に揺れる木の葉の音のみが優しく耳を擽る。
此処は何処なのだろう?サントハイムでは無い、バトランドだろうか?
暫く歩くとひっそりとした集落が見えた。
小さな村だが、門番も居り、過剰な警戒を見せている。
が、中に入ると平和そのもの、ゆっくりと流れる川で釣りを楽しむ中年男性や散歩をする年寄がいる。奥様同士、文字通りの井戸端会議をしている者達もいる。サランでも当たり前のように見る風景だ。
ルシオはそれらを横目で見ながら呟いた。
「違和感のある村だ」
何故此処には、『普通の人間』が居ない?

花畑の側にはエルフの娘と見目麗しき緑髪の青年が会話を楽しんでいる。
『私ね、写し身の魔法モシャスが使えるようになったのよ!』
青年は顔を歪めた。
『未だに低級魔法しか使えない俺に対する自慢かよ』
『悔しかったらメラミも覚えなさいよ~?』
『その内にね』
…幼馴染か。彼等の姿が娘達と重なり、ルシオは笑みを浮かべる。可愛らしい事だ。
そんな優しい風景に突如炎が溢れる。
「何…っ?!」
魔物と戦う村人達。彼らは口々に叫んでいる。
『勇者を守れ!』
ユウシャ……、勇者だと?
『お願い、助けて!』
叫ぶエルフの声を耳にし、それを頼りにルシオは駆けた。
焼かれた素朴な家、毒沼と化した花畑、無残なる魂の抜け殻をすり抜けたルシオは、エルフの側で足を止める。
彼等には自分の姿は見えない。自分の声は彼等には届かない。
何故なら此処は、これから起きる可能性の高い『未来』の世界、『現在』の住人である自分が干渉する事は出来ない。
それでも呼びかけずにはいられない。
「おい…エルフの娘」
エルフはまるでルシオが見えているかのように声を上げた。
『ペヴァルを助けて!あの子は…勇者は!まだ死んではならない!』
『デスピサロ様ぁ!勇者を見つけました!!』
デスピサロ!振り返ったルシオの前には、業火を背負う麗しき魔族の王の姿があった。
『でかしたぞ』
デスピサロはにたりと笑った。

「……っ!!」
ルシオは飛び跳ねた。その拍子に座っていた椅子が音高く倒れる。
あれが…あの翠髪の青年が、勇者。
勇者は殺される…、魔物共によって。
恐らくこのまま黙っていても、勇者の居場所は魔物に知れる。魔物は随分前から勇者を探していたらしいから。
何か…知らせる方法は無いか?
だが、知らせた所で防げるのか?
世界は滅びるのを待つしかないのか…?
いや。ルシオはぐっと唇を噛み締める。未来は良くも悪くも変わる、虚ろな存在。
俺は未来を知った。
何が何でも変えねばならない。


・・・護符の章
・・・1 罪深き人間

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阿月さくら

Author:阿月さくら
ドラクエ4のサントハイムを中心とした二次小説を書いています。
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