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ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。
4 生き残る為の代償
「!…っは!」
「お目覚めか、サントハイム王」
血色の瞳は細められ、ルシオの見開かれた瞳を覗き込んだ。冷たい指はルシオの喉に掛けられている。
デスピサロ。本人のお出ましか。ルシオはぎりっと歯軋りをした。
「私の望む未来は視て頂けましたか?」
……もう、限界だな。ルシオは怠い腕を上げると魔王を払う。
「たった今視えた。……森だ。ブランカ北の森にある隠れ里に、勇者が現れる」
デスピサロが指先で弄ぶ黒宝玉から目を逸らし、ルシオは予言を紡ぐ。
「美しき翡翠の髪を持つ青年。天の祝福を受けし勇者は…魔を滅ぼすだろう」
…必ず、滅ぼす。生き残った勇者とその仲間達が。
ルシオは魔王の瞳を睨みつける。魔王はニッと笑って見せた。
「有難う御座います、サントハイム王。そうならないよう勇者を狩りに行かせて貰いますよ。……直ぐに出立するぞ。ブランカ北の原始の森を探せ」
漆黒の外套を払い足早に去る魔王の後ろを見つめたまま、ルシオは息を吐いた。
直ぐに隠れ里は見つかるだろう。
俺の…せいで。

『……大丈夫。あなたを殺させはしないわ』
エルフは微笑むと呆然としている勇者の頬に手を添える。
『さようなら、ペヴァル』
エルフの唇が呪文を紡いだ瞬間、エルフの姿は虚ろに消えた。
勇者の瞳が大きく見開かれる。
目の前に居るのは、自分。
合わせ鏡のような二人の勇者。その内の一人は立ち上がり、背を向けた。
『あなたは生きて』

運命を変える引鉄は引かれた。
瞳を開いたルシオは目元に浮かぶ涙を乱暴に拭う。
未来は変わり、本物の勇者は生き延びた。
勇者の愛する者を代償として。
ルシオは汚れた窓の外に目を向けた。憎らしい程に青い空が広がっている。
勇敢なるエルフの娘。お前を失った勇者は絶望に打ちひしがれている事だろう。
「だが、その先にしか希望は無い」


・・・5 魔王が抱く愛

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プロフィール

阿月さくら

Author:阿月さくら
ドラクエ4のサントハイムを中心とした二次小説を書いています。
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