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ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。
3 アリーナ姫様
「うーん、お父様がそれを『損』と取るかどうかは微妙ね」
「そうですね」
二人は苦笑いを浮かべる。
ルシオは王という地位や権力に囚われてはいない。寧ろ何とかしてアリーナに王位を押し付け、余生を自由に謳歌したいと考えている。
「ですが、サントハイム王国の未来としては、王に舞台から降りてもらうのは困ります。ワイズ侯は自分のような存在を生み出し、母を見捨てた貴族を憎んでいる。全ての庶子を救い、貴族から財産地位、全てを奪う。独自の正義を貫いている彼女一人にこの国を委ねるのは危険です、その負の連鎖はサントハイムに内紛を呼ぶ」
「…そうね。下手をしたらお父様もこの法案に乗っかってしまいそうだし」
「早々に手を打つ必要はありますね」
何時ものように頼もしい言葉だが、その表情には陰りがある。
「……他に心配事がある?」
アリーナはそっとクリフトの腕に触れる。クリフトは困ったような顔でアリーナの手を握り締めた。
「策はあります。ですが」
「……それを行使する勇気が足りない、かしら?」
微笑むアリーナから目を逸らし、クリフトは苦笑する。
「…貴女には敵いませんね、その通りです」
「……」
策があると断言したという事は、それを使えばアリエノールを抑えられる可能性が高いという事。
なのに躊躇っている。となれば理由はひとつ。アリーナは息を吸い込んだ。
そして、自分が言うべき台詞はこのひと言のみ。
「私の事なら構わないわ」
「!……アリーナ」
クリフトは弾かれた様な表情で王女の顔を見つめる。
やっぱりね。アリーナは瞳を細めた。彼の打つ一手が鈍る時は、その決断が私を巻き込む時。
「貴方と一緒なら何も怖くない。相手が神話の帝王であろうと悲劇の魔王であろうと。…サントハイムであろうとも、ね」
「本当に貴女には敵わない」
クリフトはアリーナの身体を抱き寄せるとその柔らかな髪に顔を埋める。
「どんな事になろうと絶対に守りますから。私を許して下さい…、姫様」
……『姫様』。態々そう呼ぶのね。アリーナは小さく頷いた。
クリフトと結婚して十年余り、二人きりの際には聞かなくなった私の呼称。
抱き締められ『姫様』と囁かれると、ずっと若かった頃の甘酸っぱい恋心を思い出し、今こうして在る事に幸せを感じる。
だけどきっと、貴方が『姫様』と私を呼ぶのは、これが最後なのだろう。
「お願い。もう一度私を『姫様』と呼んで、クリフト」
「……はい」
クリフトは抱き寄せる腕に力を込めながら、これまでの人生で一番言葉にしたであろう愛しい人の名を呼んだ。
「アリーナ姫様」


・・・「4 落とされる名誉」に続きます。

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阿月さくら

Author:阿月さくら
ドラクエ4のサントハイムを中心とした二次小説を書いています。
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