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ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。
1 サントハイム大会議
「本日より法案審議へ入る」
一年に一度、ひと月かけて行われる、サントハイム大会議。
貴族院、魔術院、そして、神教会の幹部が集まり、其々の所属から提出された法案の審議を行う。
審議対象の法案は大会議を取り仕切る王に提出される。王より提出された法案は三者の誰も目にする事無く突然大会議に登場する審議となるが、中立を重んじられる王が法案を出した事例は過去に数例しか存在しない。
新法案が提出されればその重要度から審議の順番を決め、改正法案なら如何なる新法案よりも先に審議する対象となる。
「審議すべき法案は二つ提出されている。一つは貴族院より『君主制の廃止と共和制の実施』という新法案だ。なかなか興味深い内容だった」
ルシオの言葉に貴族院長アリエノールは小さく笑みを浮かべながら椅子に深く腰掛けた。
アリエノールは元神官であり、庶子の出だ。才でのし上がった彼女は何時でも男装をし、結婚は勿論浮いた話の一つも聞かない。
女性である事で貴族達に莫迦にされる事を嫌っているのか、心のどこかで母のような惨めな思いをしたくないと思っているのか、審議の程は判らない。
彼女の背後に座る他の貴族達は強張った顔を互いに向けている。法案の内容は知らされていなかった、彼等の戸惑った表情は雄弁に語っている。
「もう一つは」
ルシオはクリフトの方へと瞳を向ける。強張った顔を俯かせたまま、上げようとしない。
もう一つは、クリフト…、神教会が提出した『国王位と教父位の終身制の廃止』という新法案だ。パリスが命じた『人権擁護法改正案』は提出されていない。
神教会を実質的に動かしているのはクリフトだ、この法案が神教会から出されれば、クリフトがパリスを蔑ろにしてでも教父の位を欲しがっている、と受け止められるだろう。
誰もその真意など考える事は無い、クリフトは権力に取り付かれた男と揶揄される事となるだろう。ひょっとしたら、アリーナとの結婚も愛では無く、その権力欲しさに…と穿った目で見られるかも知れない。
後者はアリーナも巻き込む、クリフトが最も嫌う評価だろう。
それでも、この道を選ぶのか。
改正案を出せと言った教父を、父のように慕うパリスを守る為に。
落胆され、叱責されるのを覚悟で。……不器用な息子だ。
ルシオは神教会の法案の表紙に署名されたクリフトの名を見つめるとぐしゃりと握り潰した。
「……?」
改正案が提出されると思っているパリスが戸惑った表情を見せる。
「王?」
パリスの問いかけをルシオは無視し、宣言した。
「もう一つは俺からの法案だ。『国王位と教父位の終身制の廃止』。死ぬまで俺が王位にしがみ付かなくても良くなる法案だ。良い案だと思わないか?」


・・「2 護られた名誉」に続きます。

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阿月さくら

Author:阿月さくら
ドラクエ4のサントハイムを中心とした二次小説を書いています。
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