ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。
貴族達に動揺の声が走る。
改正法案が読み上げられると思っていたパリス、神教会からの新法案として出したクリフトが同時に立ち上がり、王を見つめる。何方も驚きのあまり二の句が継げられなくなっている。
「…どうした、師弟揃って鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして。…何か意見でも?」
ルシオが不敵な笑みを浮かべると顛末を察したパリスはクリフトを睨み「何も御座いません」と言いながら座った。クリフトも真っ青な顔で崩れる様に座る。
アリエノールはちらりとクリフトへ瞳を向けた後、ルシオを見上げた。
その視線に呼応するように次席の貴族達が声を上げる。
「王よ、その職務を軽んじておられるのか?」
「千年の昔より、王と教父は兄弟位、どちらかが死して分かつまで共にある!それを退位だ等と……!」
「お前達よりはサントハイムの事を考えているさ」
ルシオは堂々と批判する貴族達に向かって笑みを浮かべた。
瞳の端に顔を上げ呆然としているクリフトの間抜け面が見えた為、思わず噴き出したところをパリスに睨まれ姿勢を正す。
「気に入らないのなら反対すれば良い、その為にお前達には議決権がある。最も……、お前達が出した新法案、こいつが可決すれば、俺も事実上退位となる。お前達と仲良く一緒にな」
「なっ……!」
貴族達は新法案に慌てて目を通す。貴族の地位の返上、それは領地に関わる財産や利権も放棄する事となる。
それだけでは無い、虐げた領民に何をされるか…、命すら危ないかも知れない。
こんな法案を支持する訳には行かない。そんな空気が貴族院の中で広がった時。
「貴族院は一枚岩」
アリエノールは机を叩き、立ち上がった。
「我らは我らの法案を通すべく尽力する。……そうでしょう?」
アリエノールの威圧する瞳と言葉に貴族達は顔を青褪めさせた。中には気を失う者も居る。
「審議に入るぞ、パリス。内容的に俺の新法案の方が先だ、終身制は慣例で、明文化されてないから新法案として提出したが、実質は改正案だ。王権の放棄よりも譲位の方を先に議論すべきだろう。お前が代読、質疑応答は明日の予算案の審議後に時間を設ける」
ルシオが命じるとパリスは立ち上がった。
「審議は王が提出された新法案『国王位と教父位の終身制の廃止』から入りたいと思います」
パリスは口上を述べると法案内容が纏められた書類を手に取る。
「お手元にある法案内容をご覧下さい。現王と現教父、片方が亡くなった場合、もう一人も退位、そして、王位継承者と教父候補者にその地位を譲る、という現状を変える法案となります。王と教父どちらも退位を望んだ際、譲位を行う事が可能となります。但し、王位継承者と教父候補者が成人していない場合、譲位は行われません。これは他の権力による傀儡政権を阻止する目的があります。そして、成人していたとしても彼等には拒否権が御座います、彼等の後に続く王位継承者や教父候補者が居ない場合、その者達を選別教育する猶予は必要となりますから」
・・・「3 王直々の新法案」に続きます。
改正法案が読み上げられると思っていたパリス、神教会からの新法案として出したクリフトが同時に立ち上がり、王を見つめる。何方も驚きのあまり二の句が継げられなくなっている。
「…どうした、師弟揃って鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして。…何か意見でも?」
ルシオが不敵な笑みを浮かべると顛末を察したパリスはクリフトを睨み「何も御座いません」と言いながら座った。クリフトも真っ青な顔で崩れる様に座る。
アリエノールはちらりとクリフトへ瞳を向けた後、ルシオを見上げた。
その視線に呼応するように次席の貴族達が声を上げる。
「王よ、その職務を軽んじておられるのか?」
「千年の昔より、王と教父は兄弟位、どちらかが死して分かつまで共にある!それを退位だ等と……!」
「お前達よりはサントハイムの事を考えているさ」
ルシオは堂々と批判する貴族達に向かって笑みを浮かべた。
瞳の端に顔を上げ呆然としているクリフトの間抜け面が見えた為、思わず噴き出したところをパリスに睨まれ姿勢を正す。
「気に入らないのなら反対すれば良い、その為にお前達には議決権がある。最も……、お前達が出した新法案、こいつが可決すれば、俺も事実上退位となる。お前達と仲良く一緒にな」
「なっ……!」
貴族達は新法案に慌てて目を通す。貴族の地位の返上、それは領地に関わる財産や利権も放棄する事となる。
それだけでは無い、虐げた領民に何をされるか…、命すら危ないかも知れない。
こんな法案を支持する訳には行かない。そんな空気が貴族院の中で広がった時。
「貴族院は一枚岩」
アリエノールは机を叩き、立ち上がった。
「我らは我らの法案を通すべく尽力する。……そうでしょう?」
アリエノールの威圧する瞳と言葉に貴族達は顔を青褪めさせた。中には気を失う者も居る。
「審議に入るぞ、パリス。内容的に俺の新法案の方が先だ、終身制は慣例で、明文化されてないから新法案として提出したが、実質は改正案だ。王権の放棄よりも譲位の方を先に議論すべきだろう。お前が代読、質疑応答は明日の予算案の審議後に時間を設ける」
ルシオが命じるとパリスは立ち上がった。
「審議は王が提出された新法案『国王位と教父位の終身制の廃止』から入りたいと思います」
パリスは口上を述べると法案内容が纏められた書類を手に取る。
「お手元にある法案内容をご覧下さい。現王と現教父、片方が亡くなった場合、もう一人も退位、そして、王位継承者と教父候補者にその地位を譲る、という現状を変える法案となります。王と教父どちらも退位を望んだ際、譲位を行う事が可能となります。但し、王位継承者と教父候補者が成人していない場合、譲位は行われません。これは他の権力による傀儡政権を阻止する目的があります。そして、成人していたとしても彼等には拒否権が御座います、彼等の後に続く王位継承者や教父候補者が居ない場合、その者達を選別教育する猶予は必要となりますから」
・・・「3 王直々の新法案」に続きます。
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