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ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。
5 解かれた者達
「…今日も睨まれたし、身につまされる事を言われちゃったな」
アリーナは溜息を吐きながら卓の上に伸びた。
「『覚えておくが良い、王よ。貴女は常に審判の目の中で座している事を』…か」
その言葉に対し笑みを浮かべながら『しっかり見ておけ。自分も見ている』とアリエノールに堂々と言い返した王と同一人物とは思えないほど、アリーナは不安そうな顔をしている。
突然であったというのに王として良く大会議を乗り切ってくれたと思う。だが、こうして自分には弱さも見せてくれる。そんなアリーナと共にある事を許されている自分を誇らしく感じながらクリフトは微笑み、アリーナの髪をひと房掬う。
「貴女の正義を貫けば大丈夫ですよ」
教父となったクリフトだが、その衣装は神官衣のままだ。王の即位式後まではお預け、それはクリフトの教父姿を楽しみにするアリーナにとってちょっぴり残念でもあり、もう見れなくなる大好きだった神官姿と名残惜しむ期間が設けられ嬉しくもある。
「そうかしら?…私、知恵が伴わないから。もっと…貴方のように裏の部分も考えなくちゃいけないのに」
アリーナは自身が莫迦正直である事を自覚している。
そんなアリーナが可愛くて、彼女が王として失ってはならない純真な部分である事を理解するクリフトは直ぐに頭を横に振った。
「それが貴女の強みなのです。小賢しい知恵が必要な時は、私や義父上に任せて下されば良いのですよ」
「…嗚呼、お父様ね」
アリーナの表情が暗くなり、声が低くなる。
「王になったばかりで不安な私を置いて、大会議中にも関わらずさっさとパリス様と旅に出ちゃった、薄情な前の王様の事ね」
嫌味を含めるアリーナにクリフトは苦笑いで同意した。
「大会議は無事終わりましたし、通常の公務なら貴女も経験済み。大丈夫ですよ、きっとお二人も直ぐに戻られる。大会議後、暫くは我々の補佐を行うと約束して下さいましたから」
「……」
むすっとしたままのアリーナの御機嫌取りをするべく、再びクリフトは口を開く。
「……貴女が望まれるのなら、直ぐに戻るよう仕向ける事は出来ると思いますけど」
「え、本当?」
目を丸くするアリーナにクリフトは気は進まない様子を見せながら渋々頷く。
「ええ、まあ」
晴れて兄弟関係を解消したルシオとパリスだが、その腐れ縁を解消する事は無く、二人きりで旅をしている。
男二人旅は怪しい、と予てから囁かれる『二人は唯ならぬ関係』という噂を再び蒸し返せば、その火消しの為に早く戻るに違いない。
「噂を流す前に予知夢を視て帰って来ちゃうかもね」
早速公務とは違う場面で小賢しさを披露するクリフトにアリーナは苦笑いで応じた。
「…やっぱり良いわ、止めておく。きっと私達を信頼して下さっているんだわ、お父様達も長い休暇を楽しみたいだろうし」
きっと喧嘩ばかりしているに違いないが、これ以上無い楽しい時を過ごしているのだろう。
歴代の王と教父の中でも在位期間が比較的長く、歴代の中で最も波乱のあった時代を率いたルシオとパリス。
その長く重い荷から彼等を解放出来たのは、良かったと言わざるを得ない。
終身制のままなら、二人が揃って自由気儘に旅に出る事など、生きている内は望めなかった筈だから。
「其れでこそ、我が女王」
微笑むクリフトから目を逸らしたアリーナは、赤く染まった頬を両手で押さえる。
「慣れない…、慣れないよ、その呼び名!」
「私だって同じですよ。教父と呼ばれる程、人として熟していない」
「…少しずつ、よね?」
伺う様に可愛らしく見上げる王に教父は微笑んだ。
「ええ。少しずつ、です」

「これからもよろしくね、教父クリフト」
「承知致しました、サントハイム女王アリーナ様」


end.



以上で中編「教父VS貴族院長」完結となります。
最後までご覧下さり有難う御座いました。

今回は二人が教父と女王になったお話でしたが、如何でしたでしょうか?(汗)
アリエノールとのお話は次の中編で最後の予定です。
ああ…そんな人も居たな…、な感じな人達も登場する、政治的なお話としても締めとなるお話となりそうなので、また連載する時には(連載開始は、一年は先の事になりそうですけど)宜しくお願いします。

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阿月さくら

Author:阿月さくら
ドラクエ4のサントハイムを中心とした二次小説を書いています。
SINCE.08/03/05

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