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ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。
4 婚礼への思い
翌日。
婚礼予行練習は、ルシオ達の捨て身の練習効果か、滞りなく終える事が出来た。
が、実際の婚礼衣装の足廻りが歩くと美しく無いとかで、アリシアは裾の仮直しをしている。その様子を見ながらルシオは祭壇に身体を持たれ掛けた。
「昨日採寸とか言ってたけど、衣装出来上がってるぞ?」
「頭では?用意された冠が落ちてしまわないよう当日の髪形に合わせて微調整を行うと聞きました」
台本に本日の気付きを記入しながらパリスが答える。パリスもまた本番の衣装を着ており、いつもよりも美貌に磨きがかかっている。
「…俺、本当に結婚するんだな」
ぼんやりとした顔で呟くルシオにパリスは心配そうな眼差しを向ける。
「何です?マリッジブルーとか止して下さいよ?」
「いや…、お前のその特別な司祭服を見たらさ。現実味を帯びたというか」
「……。不安ですか?アリシア様を幸せに出来るのか、と」
流石だな。ルシオは小さく笑う。妻となるアリシアやいつか生まれる血を分けた我が子であっても、一番自分を理解する存在であり続けるのはこの男なのだろう。
「…大丈夫だと思いますよ?アリシア様はきっと幸せな時間をお過ごしになられる」
理由を問うルシオの瞳を見つめながら、パリスは微笑んだ。
「私が幸せな時間を過ごして来たからですよ。貴方の側に居て後悔した事は無い」
さらりと恥ずかしい事を。ルシオは誤魔化すように咳払いをしながら腕組みをした。
「その割にはいつも不満しか口にしないだろ、お前は!」
「ふふっ、そうですね。貴方と一緒に居ると腹の立つ事も多いですからね。だけどこの距離に後悔は無いのですよ」
結婚した事は無いし、きっとこれからもしないと思う。パリスはアリシアを見つめながら瞳を細める。
だがルシオとの此れ迄の関係は、それに近いのでは無いかと思う。
楽しい事と同じくらい嫌な事もあるし、顔も見たく無いと思う日もあるが。
最後はいつも一緒に居られて良かったと感じる。
此れからも一緒に居たいと望む。
それは、幸せだからなのだろう。
「アリシア様もきっと同じだと思いますよ」
「…うん」
ルシオは照れた笑みを浮かべながら頷いた。

そんな二人を眺めながら微笑むアリシアに、側に居た貴族の娘が首を傾げる。
「どうかなさいました?」
「とても幸せそうだわ、あの二人」
アリシアは貴族の娘を振り返る。
「あの二人の時間を私は決して邪魔をしてはならないと思うの。二人は結婚出来ないけど…、私には踏み込めない、結婚と同等以上の絆があるから」
「…!」
まさか。貴族の娘は瞳を丸くした。では先程聞いたあの噂は。
「アリシア様…昨日、ルシオ様の執務室にパリス様もいらっしゃいました?」
「え?ええ…居ました」
本日の予行演習の予行演習の為、という事は黙っておいた方が良いのだろう。アリシアは昨日同様、その事実は伏せて頷く。
「…ルシオ様とパリス様、口付けを交わそうとされたりしました?」
「え!な、何で!御存知なのですか?!」
知られている。アリシアは困った様に眉を顰めた。女官長だけでなく、女官達にも見られたのだ、噂が広まるのは仕方ないのだろう。昨日になって練習する事になったのも自分が至らないが故、せめてルシオ達に迷惑が掛らぬ様、これ以上噂を広げないようにしなければ。
「あの…この事は内緒にして頂けませんか?」
「ですが、アリシア様……」
戸惑う貴族の娘の手を握り、アリシアは切に訴える。
「お願いします。彼等に迷惑を掛ける訳にはいかないのです」
「……!!」
貴族の娘ははっと顔を驚愕の色に変えた。
この結婚は、もしや。
それならば合点が行く。
異国の娘アリシアとルシオの電撃結婚も、アリシアが二人の仲を認めている事も。
「…アリシア様」
貴族の娘はアリシアの手を取り直し、ぎゅっと握る。
「な……、何でしょうか?」
目の前に居る貴族の娘の瞳が急に潤み、声色が優しくなった事にアリシアは戸惑いを含んだ声を上げた。
「貴女はお寂しい思いをしていらっしゃったのに。冷たくした事を許して下さい」
「え?」
寂しい思い?…私が?思わぬ台詞にアリシアは目を瞬かせる。
異国に来て心細い事を言っているのだろうか?
「いえ…、ルシオ…、王のお手を取った時から解っていた事ですから」
「…!」
やはり!この結婚は……。貴族の娘は眩暈を感じつつも、にこにこと笑うアリシアを見返した。
この過酷な運命を笑顔で受け入れていらっしゃるなんて!此処に至るまで相当な葛藤があったに違いない。アリシアの過去を勝手に想像しながら貴族の娘はハンカチで目元を拭く。周囲でそっと聞き耳を立てていた別の貴族の娘達も何時の間にかアリシアを囲う様に側に居る。
「この後、お茶会がありますのよ。アリシア様も如何?」
「きっと気晴らしになりますわ」
突然貴族の娘達が快い態度となった事に戸惑いつつも、女だけの王国出身のアリシアは嬉しそうに微笑んだ。


・・・「サントハイム王と教父の苦難の七日間  5 疑惑を招く台詞」に続きます。

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阿月さくら

Author:阿月さくら
ドラクエ4のサントハイムを中心とした二次小説を書いています。
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