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ドラゴンクエスト4のクリフト×アリーナ(クリアリ)を中心とした二次創作サイトです。
きっと、あなたに恋を。 その5
「クリフト…、私も大好き。大好きよ」
瞳を閉じるアリーナの髪に指先を絡めるとクリフトは顔を寄せ、囁く。
「貴女のその想いが薬と共に消え失せても、私は貴女の事を愛している」
「クリフト…」
……。………?
アリーナは瞳を瞬いた。突如頭の中の靄が晴れたように覚める。
あれ?ミネアさんの部屋で…どうしたんだっけ?
…ん?
己の亜麻色の髪に絡む長い指が視界に入った。
ほんの鼻先には、伏し目がちな群青色の瞳があり、互いの唇は今にも触れそうな距離にある。
「…姫様」
吐息で囁かれ、一気に身体が熱くなった。
え?!何でこんな事になってるの?!
アリーナは心の中で盛大に叫ぶと目の前の男の名を呼んだ。
「クリフト?!」
その声色に甘い色が無い事に気付いたクリフトは身体を離してアリーナの瞳を覗き込む。
「姫様?…正気に戻られたのですか?」
頬を赤らめ震えているアリーナを見ているとクリフトの心の中で安堵よりも不安が急速に膨らんだ。
状況に流され、思わず想いを口走ったが、覚えているという事は無いのだろうか?
「薬を飲んだ後の記憶はありますか?何処まで覚えていらっしゃるので?」
矢継ぎ早な質問に王女は面食らいながらも頷く。
「…え?ええと、ミネアさんの部屋で解毒薬と回復薬、だったかしら?…を強引に飲まされた後、頭がぼうっとして。その後は覚えてない」
とても嬉しい事があった気がするけど。アリーナが首を捻るとクリフトはあからさまにホッとした笑みを浮かべた。
「そ、そうですか。良かった。姫様が口にされたのはミネアさんの試作品の万能薬でして…、実体は少々混乱状態にするものだったらしく、どうなる事かと心配しました」
「そうだったの」
どうやらクリフトにとって散々な時間だったようだ。申し訳無く思うアリーナだが、謝るべきかどうかは悩む。そもそもミネアが無理に飲ませた薬でこうなったらしいし。
「ねぇ、混乱状態の時、何があったの?」
だが暴力を振るったりしたのなら、クリフトは被害者、謝罪は必要だろう。アリーナが問うとクリフトは誤魔化すように咳払いをする。
「え…ごほんっ…、う、ううん。まあ、色々と」
洗いざらい白状するのは憚れる。アリーナの混乱に乗じて調子に乗った事をした心当たりがある。
「色々って?」
クリフトが濁すという事は、とんでも無い事をしたに違いない。
そう感じ、問い正そうとするアリーナの前に現れたぺヴァルとミネアは少々がっかりした表情を見せた。
「船室かと思ったら、こんな所に居たのか。何だよ…、もう元に戻ったのか」
哨戒を済ませ、急いで様子を見に来た勇者は不満そうに腕組をする。その隣のミネアは己の頬を支えるように手を添え息を吐いた。
「効果持続時間は短いわね。でも魔物との戦闘時間を考えると充分かしら」
薬の効果しか頭に無い様子のミネアにクリフトは無言のまま非難めいた瞳を流す。
「ねえ、私どうなっちゃっていたのよ?!」
痺れを切らしたアリーナが叫ぶとぺヴァルは簡潔に説明した。
「混乱状態にあったよ?」
「もっと詳しく教えてよ、判らなくて怖いから!」
「えー、知りたいのかよ…。クリフトに『好き』って言いまくって、ずっとくっついていたよ」
「す、好き?!……う、嘘っ!」
アリーナは青褪め、絶句する。
どうやら混乱し、本心や願望がダダ漏れとなっていたようだ。
「本当だよ。姫は滅茶苦茶幸せそうだったよ」
覚えていないが、確かに嬉しかった気はする。俯くとわなわなと震える己の手が目に入った。
『姫は滅茶苦茶幸せそうだった』。
…姫『は』。
「そっか…」
それでクリフトは正気に戻った私を見て、あんなに喜んでいたんだ。
「…クリフト、ごめんね」
「え?!…い、いえ、薬のせいですし。私は別に…」
「私があなたを好きになるの、そんなに迷惑だった?」
「……え?」
クリフトは予想もしなかった台詞に思わずアリーナをまじまじと見つめる。
「そうよね、好きでもない子に好きだと言われて付き纏われて。嫌に決まってるよね」
俯いている為顔は見えない、だが、王女の声は震えている。
「姫様、私は」
「ごめんなさい、今の私はあなたに合わせる顔が無いわ」
言い捨て、早足でその場を立ち去るアリーナの後ろ姿を呆然と見送ったクリフトの背にぺヴァルが遠慮がちに声を掛けた。
「悪い…、上手く話せなくて誤解させちゃったみたいだ。『クリフトは困りながらも嬉しそうだった』、そう付け加えるべきだったな」
「…充分です。そんな説明をされると私の方こそ姫様に合わせる顔がありませんよ」
クリフトはぺヴァルに笑いかけた後、ミネアを振り返った。
「ミネアさん。あの試作品の薬はまだ残っていますか?」


・・・「きっと、あなたに恋を。 その6」に続きます。

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阿月さくら

Author:阿月さくら
ドラクエ4のサントハイムを中心とした二次小説を書いています。
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